またまた来ましたね、この季節。

このところ、アカデミー賞では、来年から授賞式の舞台の移動、
コダックシアターの、コダックが排除される。
などなど、話題沸騰中ですが、なんと言っても、最高の目玉は、
主演男優賞の、華やかさでしょう。

愛しのジョージに、初(ここにきてなぜか)ノミネートのゲイリー・オールドマン、
そして、これまた大好きなブラピと、ちょっとこれは映画ファンならずとも、
ビジュアルが華々しいですね。


【作品賞】
今回は、すごーーーく、難しいですね。
よく言えば、バラエティ豊かに、悪く言えば、これが良質!!ふさわしい!!
というインパクトや、揺さぶられる作品がないような気が。
下馬評では、「アーティスト」と「ヒューゴの不思議な発明」が、大きくリードしている
みたいですね。 まぁ、この2作品の一騎打ちで間違いないかしら。

面白いのは、この2作品が映画の芯が同じでありながら、手法が
まったく両極端である点だ。

「アーティスト」は、モノクロ、サイレント。いわゆる回顧的でありながら、
その手法は、この時代に斬新そのもの。
セリフはなくも、ストーリーは歌って踊ってのミュージカル映画と
ラブストーリーとういのは、まさにハリウッド黄金時代そのもの。
ここが、フランス映画というデメリットを覆せるでしょう。

ニュースにも出ていましたが、アカデミー会員の平均年齢は62歳、白人が6割以上。
アメリカに憧れられていた時代の、復活を映画で垣間見るのは、
心地いいかもしれない。

かたや、「ヒューゴ」は、3Dという今の手法ながら、根底はスコセッシの映画愛が
詰まったよき時代が背景にある。

どちらも、映画を愛する作品として、ストレートに表現しているところが、
今回のアカデミーの特徴だ。

個人的には、「ファミリー・ツリー」が気になっていたりする。


「ヒューゴの不思議な発明」  ○
「ファミリー・ツリー」
「マネー・ボール」
「ヘルプ 心がつなぐストーリー」  △
「ミッド・ナイト・イン・パリ」
「戦火の馬」
「アーティスト」  ◎
「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」
「ツリー・オブ・ライフ」


【監督賞】
作品賞を送り込んだ監督が、もちろん大有力。
個人的には、過去最高の興行収入に加え、評価もなかなか高い、
ウディ・アレンに獲ってほしいものだ。

まぁ、彼は今年ももちろん、興味ナシなので、会場には現れないだろうが、
ポランスキー受賞の時のように、受賞すれば映画人がうなるのは間違いない。


作品賞同様、「アーティスト」のミシェル・アザナウィシウスと
「ヒューゴ」のスコセッシだろう。
スコセッシが有力らしいが、彼は「ディパーテッド」で受賞済み。
もちろん、彼ほどの監督力であれば、生涯に2度以上の受賞に不満を感じる人は
ないだろう。 が、しかし、どうも今までの良作を知る限り、この3Dで
獲らなくとも。と思ってしまう。(個人的には「ディパーテッド」での受賞も不満だ。)

アザナウィシウスはフランス人といのが、ちょっと引っかかる。
作品、監督ともども、フランスにもっていかれるのは、アメリカとしていいのだろうか。

となると、「ファミリー・ツリー」のアレクサンダー・ペインが、存在感を増してくる。
「サイドウェイ(2004)」でもノミネートされ、、主演男優賞ノミネートに導いているのが、
ジョージ・クルーニーという大物も、「サイドウェイ」とは違っている。
受賞となれば、まさにサプライズだろう。

でも、前哨戦で受賞した、ミシェル・アザナウィシウスが本命なのだろうか。
毎年、監督賞は、なかなか手ごわい。

「アーティスト」ミシェル・アザナウィシウス  ◎
「ヒューゴ~」 マーティン・スコセッシ
「ツリー・オブ・ライフ」 テレンス・マリック
「ファミリー・ツリー」 アレクサンダー・ペイン △
「ミッド・ナイト・イン・パリ」 ウディ・アレン  ○


【主演男優賞】
これは、ジョージ・クルーニーにあげたいな。
彼はもちろん、「シリアナ」でオスカー俳優にはなったが、やっぱり主演が似合う。
もはや、アメリカ映画には、ビジネス、俳優人、制作側からも、なくてはならない
兄貴。 
ブラピもノミネート(久々かな)で、外見だけでなく、かなり実力者なので評価されたのは
嬉しいが、「マネー・ボール」よりも、もっといい役柄が待ってる気がしてならないのは、
私だけだろうか。

「アーティスト」俳優受賞となると、一気に、その後のメイン所を持っていくかもね。
ただ、彼が獲るとなると、「ライフ・イズ・ビューティフル」のロベルト・ベニーニ以来の
フランス人(男優で)、同じくフランス人のマリオン・コティヤールが、近い記憶では受賞しているが、
エディット・ピアフを演じたインパクトにかけるし、ベニーニのような個性も感じない。

となれば、やはり、クルーニーだ。
これは、「戦場のピアニスト」が監督賞、主演男優賞をエイドリアン・ブロディが
受賞した流れに似ているかもしれない。

やはり、この2つで「ファミリー・ツリー」が圧倒してほしい。

「アーティスト」 ジャン・デュジャルダン  ○
「ファミリー・ツリー」 ジョージ・クルーニー  ◎
「マネー・ボール」 ブラッド・ピット
「明日を継ぐために」 デミアン・ビチル
「裏切りのサーカス」 ゲイリー・オールドマン △

【主演女優賞】
もはや、ノミネートが当たり前のような、メリル・ストリープの下馬評が高いようだが、
作品自体の評価の低さと、ちょっとやりすぎ感が鼻につく。
もちろん上手いのだが、ちょっとコテコテに作りすぎたような。
でも、これだけノミネートされるなら、そろそろ。という流れにもなるかしら。
かつての、キャサリン・ヘプバーンのような、貫禄も違った意味で出てきた。

ミシェル・ウィリアムズも、前回に引き続きのノミネートで有力だが、
若さと、マリリン・モンローってのも、ちょっと気にかかる。

ヴィオラ・ディビスが、現在有力にあるかもしれない。
実績もあり、とてもクリエイティブな演技だ。

そして、忘れてはならないのが、グレン・クローズだ。
約20年ぶりのノミネートにして、すでに大御所。
男にしか見えない演技だ。

かなり、票が割れそうで、難関だ。

「ヘルプ 心がつなぐストーリー」 ヴィオラ・ディヴィス  ◎
「マーガレット・サッチャー」 メリル・ストリープ  ○
「アルバート・ノップス」 グレン・クローズ  △
「マリリン7日間の恋」 ミシェル・ウィリアムス  
「ドラゴンタトゥーの女」 ルーニー・マーラ

【助演男優賞】
これは下馬評通り、クリストファー・ブラマーで確定。
なんてったって、「サウンド・オブ・ミュージック」のトラップ大佐だもの。
彼自身の功績、昨今の活躍ぶりからして、間違いない。

「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」 マックス・フォン・シドー  
「マリリン7日間の恋」 ケネス・ブラナー
「マネー・ボール」 ジョナ・ヒル
「人生はビギナーズ」 クリストファー・ブラマー  ◎
「Warrior」 ニック・ノルティ


【助演女優賞】
助演は、Supporting賞ということだが、今年は特にサポートしている感の顔ぶれ。
毎年、若き息吹を少しでも感じられ、ゴージャスよりは、可憐な感じがする枠ですが、
本年度は、しっかりサポート。
「アーティスト」のベレニスや、「ヘルプ~」のジェシカ・チャスティンがキレイ所だが、
存在感どころか、知名度さえ??だ。

おもしろいのが、「史上最悪のウェディングプラン」の、メリッサ・マッカーシーだろう。
爆発的人気を博した「ハングオーバー/消えた花婿を追え」の女性版ともいえる本作は、
ダウンロード(ホテルなどで)、一番人気という話題作からの、演技ノミネートは
なかなか、あなどれない。

でもまぁ、妥当な線で前哨戦を制し、安定感抜群の
オクタヴィア・スペンサーだろう。

となると、やはり主演でまた1人黒人は厳しいか・・・・・。

「アーティスト」 ベレニス・ベジョ   △
「ヘルプ 心がつなぐストーリー」 ジェシカ・チャスティン
「ヘルプ  〃  」   オクタヴィア・スペンサー  ◎
「アルバート ノップス」  ジャネット・マクティア
「ブライズメイズ 」  メリッサ・マッカーシー  △

わたしが大好きな、脚本賞は、アレンの「ミッド・ナイト・・イン・パリ」で、ぜひ!
あのウィットに富んだセリフは、何度受賞しても足らないほど。


いよいよ、もうほんとにすぐ!!

今年の司会は、あの ビリー・クリスタル!!

去年は散々だったから、ユーモアに加え、大物司会者の風格さえ感じさせる彼。
早口で、気転の利く彼のショーが、一番の見所かも?